「料理ではなく感情を売る」とは何か
創作料理 一喜の代表・吉岡篤が一番大切にしているのは、「料理ではなく、食後に残る感情を売る」という考え方です。
皿の上の美味しさだけでなく、「今日ここを選んで良かった」「また大切な人を連れて来たい」と思ってもらえるかどうかが、仕事の基準になっています。
誕生日、昇進、退職、結婚、法要など、人生の節目に立ち会う店として、一人ひとりの背景を想像しながら、会話や空間づくりまで含めて設計するのが一喜のスタイルです。料理は、感情を生み出すための一つの手段に過ぎません。
10年生存率1%の業界で生き残ってきた理由
飲食店の10年生存率は1%と言われる中で、一喜が続いてきたのは「理念を軸に決断してきたから」と吉岡は語ります。
景気悪化や詐欺被害、コロナ禍など、店を畳んでもおかしくない局面は何度もありました。それでも、「お客様への愛情」と「町にとって必要な店であるか」という基準から逃げなかったことが、結果的に信頼とリピーターを育てました。
手作りビラを配り続けるなど、待たない集客も一貫しています。「良い店ならお客様は来るはず」という思い込みを捨て、地道に動き続ける姿勢こそ、一喜の生命線です。
広がり続けるビジョン:仕出し・宅配・集客支援・社会貢献
一喜の目標は、一軒の居酒屋で完結することではありません。
仕出し・宅配では、法事や会議、社内行事など、店の外のシーンにも「食で寄り添う」領域を広げています。また、他店への集客支援やコンサルティングを通じて、苦しむ飲食店オーナーを元気にすることもミッションの一つです。
コロナ協力金を活用した無料弁当配布に象徴されるように、「税金を託された責任」を社会に返す発想も特徴的です。飲食を通じて、地域全体の笑顔と活気を増やす「灯火」でありたいというのが、一喜のビジョンです。
一緒に働きたいのは、どんな人か
吉岡が重視するのは、技術よりも「在り方」です。包丁さばきより先に、人への関心や思いやりがあるかどうかを見ています。
求めているのは、次のような人です。
- お客様の表情やしぐさから、声にならない要望を想像できる人
- 作業でなく「仕事」として、意味を考えながら動ける人
- 失敗やクレームを、自分を責める材料ではなく「学び」として受け止められる人
AIやマニュアルだけでは届かない「人間臭さ」を強みにしたい人には、やりがいの大きい環境です。
応募前に考えておいてほしい姿勢・価値観
一喜で働くことを検討する際は、次の問いを自分に投げかけてみてください。
- 「料理は愛しかない」という言葉に、自分なりの意味を与えられるか
- 忙しいときほど、人への対応が雑になっていないか
- 将来、どんなお客様のどんな表情を見たいのか
吉岡は、スタッフに長期依存させず「自立してほしい」と話します。将来独立したい人も、飲食で長く生きていく覚悟がある人も、自分の軸と一喜の理念が重なるかどうかを、よく確かめてから選んでほしいと考えています。
面接で聞いてほしい質問例と、事前来店のポイント
面接では、条件面だけでなく、次のような質問を歓迎しています。
- 「一喜で働いていて、一番うれしかったお客様のエピソードは?」
- 「スタッフ育成で、特に大切にしていることは?」
- 「厳しい局面をどう乗り越えてきたか、具体的に教えてほしい」
事前に来店する際は、料理の味だけでなく、スタッフ同士の会話、お客様への声かけ、店内の空気感にも注目してみてください。ランチとディナーで雰囲気が変わるので、可能なら両方体験し、「ここで自分はどんな役割を果たしたいか」をイメージしてみるとよいでしょう。