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仕事のこと

【代表インタビュー】「料理は愛しかない」創作料理一喜が大切にしている“人間くさい仕事”の話

ホスピタリティ , 創業ストーリー , 東大阪の名店 , 顧客体験 , 飲食店経営

2026.03.31

「料理は感情を売っている」――一喜の原点

大阪・東大阪市、近鉄奈良線 瓢箪山駅から徒歩3分。創作料理 一喜(いちき)の代表・吉岡 篤は、店の存在意義をこう語ります。

「うちは料理そのものを売っているつもりはないんです。食べたあとの感情、記憶、人生の節目の時間をお預かりしている。だから、料理は“愛しかない”と思ってます」

一喜が目指しているのは、「飲食を、最も身近な非日常のエンターテインメント」にすること。誕生日、記念日、送別会、法事、会社の大事な会食――そんな場面で「ここなら任せられる」と選ばれる店であり続けることです。

「待たない」集客――手づくりビラから始まった創業ストーリー

創業当初、華やかなスタートではまったくなかったと吉岡は笑います。

「オープンしても、お客さんは待ってても来ない。『良い店ならいつか口コミで広がる』なんて幻想でしたね。だから夜な夜な手書きのビラを作って、駅前で配りました」

チラシには料理写真だけでなく、「なぜこの店を始めたのか」「どんな想いで料理を出しているか」まで、率直に書いたといいます。

「綺麗な言葉じゃなくて、正直に。『家族の誕生日を任せてもらえる店にしたい』って書いたら、それを読んだお客様が『ほんまに任せてええか見に来たで』って来てくれたりして。そこから人間関係が始まる感じですね」

リーマンショックとコロナ禍をどう越えたか

一喜の歴史は、リーマンショック、詐欺被害、コロナ禍といった逆風の連続でもありました。

「正直、心が折れそうになったことも何度もあります。でも、そのたびに『ここで学べってことやな』と意味づけするようにした。リーマンの時は固定費とメニュー構成を徹底的に見直すきっかけになったし、詐欺被害では“誰と仕事をするか”の大切さを叩き込まれました」

コロナ禍では、営業時間短縮や休業要請で店売りは大きく減少。そのときに力を入れたのが、仕出しと宅配です。

「協力金をただ守りに使うんじゃなくて、『託されたお金』として地域にお返ししようと。無料のお弁当配布を続けたら、『あのとき助けてもらったから』と言って、今も顔を出してくれるお客様がたくさんいます」

一喜で身につく「声にならない要望」を読む力

一喜の仕事は、「人間くさい」ことの連続です。吉岡がスタッフに一貫して伝えるのは、「テクニックより在り方」です。

「大事なのは、言葉になっていないサインをどれだけ拾えるか。例えば、メニューを見ながら少し困った顔をしているお客様がいたら、『今日はどんな気分ですか?』と一歩踏み込んで聞いてみる。そうすると『ほんとは魚が食べたいけど、アレルギーがあって…』みたいな話が出てくる」

そこで初めて、「じゃあ、アレルゲンを外してこんな風にアレンジしましょうか」と提案できる。その積み重ねが、「ここなら安心して任せられる」という信頼になっていきます。

「料理は、作業としてはレシピ通りに作ればできる。でも仕事として大事なのは、お客様の背景にどれだけ想像力を働かせられるか。そこを深掘りできる人は、どこへ行っても通用します」

「オーナーが笑っていない店は、続かない」

吉岡は「経営者こそ楽しそうに働くべき」と繰り返します。

「飲食って、非日常を楽しみに来てもらう仕事なんですよ。オーナーが暗い顔で数字ばっかり見てたら、空気が全部そっちに引きずられる。だからうちは、しんどいときほど笑います。そんな姿を見て、『自分もこういう大人になりたい』と思ってくれたら嬉しいですね」

血縁にこだわらず、「人に寄り添える在り方」を持つ人に事業を託したい、とも語ります。弟子の独立も、飲食店コンサルティングも、「笑顔の店を増やしたいから」だと言います。

面接・見学で「一喜の本気度」を見抜くヒント

一喜の考え方に共感し、「もう少し踏み込んで知りたい」と思った人に向けて、吉岡はこんな視点を勧めています。

面接で聞いてみてほしい質問例

  • 「これまでで一番印象に残っているお客様のエピソードは何ですか?」
  • 「リーマンショックやコロナ禍のとき、どんな判断をして、何を学びましたか?」
  • 「ここで3年働いたら、どんな人間的な成長ができますか?」
  • 「スタッフには、どんな“在り方”を期待していますか?」

このあたりを率直に語ってくれるかどうかで、店の本気度や価値観との相性が見えてきます。

見学時にチェックしてほしいポイント

  • スタッフ同士の会話が、ただの作業指示だけになっていないか
  • お客様への声かけがマニュアル的か、それとも一人ひとりに合わせているか
  • 忙しい時間帯でも、誰かが必ず笑っている瞬間があるか
  • 厨房とホールの間で、感謝やねぎらいの言葉が自然に飛び交っているか

こうした空気感に、「人間くさい仕事」を大事にしている店かどうかが表れます。

料理は、愛しかない。創作料理 一喜の店づくりと働き方は、その一言をどれだけ本気でやりきるかにかかっています。もし、技術だけでなく“人としての在り方”を磨きたいと思うなら、一度その空気を感じに足を運んでみてください。