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環境のこと

「最も身近な非日常」のつくり方 ─ エンタメ産業として飲食業界を研究してみた

感情価値の提供 , 物語性のあるメニュー , 記憶に残る接客 , 非日常空間づくり , 飲食体験デザイン

2026.04.28

飲食を「エンタメ産業」と捉える視点

飲食店をエンターテインメント産業として考えると、「料理を出して終わり」のサービス業とは仕事の意味が大きく変わります。創作料理 一喜が掲げるのは「飲食は最も身近な非日常」という発想。日常の延長線上にありながら、記念日・送別会・家族の節目など、人生の重要な場面を預かる“舞台”だという認識です。
この視点に立つと、料理・接客・空間・SNS発信のすべてが「物語を演出する道具」になります。スタッフは裏方でありながら、ゲストの心に残るワンシーンを創り出す“演出家”であり“キャスト”でもあるのです。

「料理は感情を売っている」という仕事観

一喜が大切にしているのは「料理そのものではなく、食べた後の感情を売っている」という考え方です。同じ料理でも、
・誰と食べたか
・どんな言葉をかけられたか
・どんなタイミングで提供されたか
で、記憶の温度が変わります。
たとえばプロポーズの席では、料理名よりも「一皿が運ばれてくる間の静かな時間」こそが記憶に残ります。だからこそ調理は“作業”で終わらせず、「この一品のあとにどんな感情になってほしいか」を逆算して構成。食材・盛り付け・提供順を通じて、お客様の感情曲線をデザインする仕事だと位置づけています。

接客は“演出”であり、声にならない要望を読む技術

エンタメとしての接客は、マニュアル通りのサービスではなく「声にならない要望」を読む力が土台になります。たとえば、
・上司と部下だけの送別会
・久しぶりに集まった家族
・カップルの記念日
同じテーブルでも、必要な距離感や会話の温度は全く異なります。一喜では、表情・会話量・グラスの減り方など細かなサインを読み取り、「今は静かに見守る」「ここで一言だけ添える」を判断。接客スタッフは単なる配膳係ではなく、場の空気を整える“舞台監督”として、人生の節目が心地よく流れるよう裏側から支えます。

空間づくりとメニュー構成で「最も身近な非日常」を設計する

非日常感は、高級インテリアだけで生まれるものではありません。一喜が意識するのは「日常に近い安心感」と「少しだけ背伸びした特別感」のバランスです。照明の明るさ、席のレイアウト、スタッフ同士の声かけまで含めて「居心地のよい舞台裏」を設計します。
メニューも同様で、奇抜さより「会話が生まれる一皿」を重視。
・シェアしやすい盛り付けで、自然に会話が弾む
・旬の素材や地元食材を使い、話のきっかけをつくる
こうした工夫を積み重ねることで、特別な一日を支える“装置”としての空間とメニューが完成します。

SNS発信も含めた「物語づくり」の仕事

エンタメとして飲食を考えると、仕事は店舗の内側だけで完結しません。SNSやWEBでの発信も、お客様の期待を高める「予告編」の役割を担います。一喜では、単なるメニュー紹介ではなく、
・新メニューが生まれた背景
・生産者とのエピソード
・お客様の記念日シーン(許可のうえでの共有)
など、物語の断片を丁寧に届けることを重視。来店前から「ここで過ごしたい理由」を感じてもらえると、当日の体験価値が高まります。発信内容に一貫した世界観があれば、お客様はその物語の続きとして店を訪れるのです。

「特別な1日をつくる側」になるための視点

飲食の仕事をキャリアとして考えるとき、重要なのは「自分は何を売りたいのか」という問いです。一喜が売っているのは、料理だけでなく「食後の感動」や「人生の節目の記憶」。その前提に立つと、求められるのは調理スキルだけではなく、
・相手の立場に立って考える想像力
・チームで場をつくる協調性
・失敗から学び続ける前向きさ
といった“人としての在り方”です。自分の笑顔やひと言が、誰かの思い出の一部になる。その責任とやりがいを面白いと感じられる人にとって、飲食は長く深く続けられるエンタメの仕事になっていきます。

体験入店・店舗見学で使える「エンタメ視点の質問集」

飲食をエンタメとして理解するには、現場を見るのが一番です。体験入店や見学の際には、次のような質問を投げかけてみてください。
・記念日やお祝いのとき、どんな工夫をしていますか?
・メニューはどのようなコンセプトで構成していますか?
・お客様の「声にならない要望」を汲み取るために、意識していることは?
・スタッフ同士で、いい接客事例をどう共有していますか?
・SNSやチラシなど、店外の発信で大切にしている世界観は?
こうした問いを通じて、「非日常をつくる」という発想が現場のどこまで浸透しているか、自分がその物語づくりに参加するイメージを確かめてみてください。