「保育に興味はあるけれど…」という迷いから出発する
子どもが好き、保育の仕事に興味がある。でもニュースでは「待機児童」「保育士不足」「離職」という言葉ばかり。そんな不安から、一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。
一方で近年、「企業が自社で保育園を運営する」「保育と療育を組み合わせる」といった、新しい形の保育の現場が増えています。物流オペレーションを手がける株式会社ティーエルエス(TLS)のワークサポート事業部も、その代表的な事例のひとつです。
物流会社から生まれた「保育×企業」という新しいかたち
TLSが保育に乗り出したきっかけは、物流現場で働くスタッフの声でした。「出産したら仕事を続けにくい」「近くに預け先があれば働き続けられるのに」――。この実感から、2019年に企業主導型保育園「つむぎ保育園」、2024年に認可小規模保育園「かなで保育園」を八尾市で開園しました。
物流会社が保育園?と驚くかもしれませんが、ここには「仕事と子育ての両立を支える」という明確な社会課題へのアプローチがあります。保育士としては、企業と連携した保育だからこそ、次のような特徴が見えてきます。
- 保護者の働き方(シフト・勤務時間)に理解がある
- 「預かり=託児」ではなく、キャリア継続のインフラとして保育を捉えている
- 会社全体として子育て支援に本気で投資している
「第2のわがや」と上下関係に縛られない職場づくり
TLSの保育園が大切にしているキーワードが「第2のわがや」と「わいわいがやがやテキパキと」。子ども・保護者・スタッフにとって、家庭の次に安心できる居場所であることを目指しています。
現場の園長自身が、保育業界の「厳しい上下関係」に疑問を持ち、・年次よりも「子どもへの想い」と専門性を尊重する・意見を出しやすいフラットなチームを意識して園づくりをしている点も特徴です。
「人間関係が心配」「自分の意見を言いづらそう」というイメージを持っている方にとって、上下関係に縛られない運営方針は、保育業界に踏み出すハードルを下げてくれる要素と言えます。
「保育×療育」で広がる専門性というキャリア
ワークサポート事業では、児童発達支援事業所「がじゅまるきっず」も運営しています。保育園の運営を通じて見えてきた「療育ニーズの高まり」に応える形で生まれた事業です。
保育と療育が近い距離にあることで、
- 気になる子どもの発達について保護者が早めに相談できる
- 保育士が療育の専門家と連携しながらスキルを磨ける
- 将来的に保育・療育のどちらのキャリアも選べる
といったメリットが生まれます。「ゆくゆくは児童発達支援や放課後等デイサービスにも関わりたい」という方にとっても、保育×療育の環境は、専門性の選択肢を広げる場になり得ます。
異業種から保育・療育を目指す人の業界研究のコツ
未経験や異業種から保育・療育の世界を目指すなら、次のようなポイントを意識して業界研究を進めてみてください。
1.その園は「何の課題」を解決しようとしているかを見る
待機児童、保護者の就労支援、地域の療育ニーズなど、園ごとに向き合っている社会課題があります。TLSのように「現場の声」から事業が生まれているケースは、現実のニーズに根ざした運営がされやすいと言えます。
2. 理念が「現場の仕組み」に落ちているかを確認する
「第2のわがや」「上下関係に縛られない」といった言葉が、具体的にどんなミーティングや評価、働き方のルールにつながっているかをチェックしましょう。
3. 保育だけでなく「働き方の支援」をどう考えているか
企業主導型や企業が運営に関わる園なら、保護者の働き方支援とセットで保育を考えているかが重要です。そこに関心を持っている園は、スタッフの働きやすさにも目が向いている可能性が高いと言えます。
見学・応募のときにチェックしたい具体的ポイント
実際に見学や面談に行く際は、次のような点を意識してみてください。
- 職員同士の声かけが丁寧か、笑顔でやりとりしているか
- 新人や異業種から転職したスタッフが活躍しているか
- 保護者との会話が穏やかで、オープンな雰囲気か
- 保育と療育の連携がある場合、その役割分担が明確か
- シフトや休暇の制度など、長く働く前提の仕組みがあるか
パンフレットやホームページだけでは見えない部分こそ、実際に足を運ぶとよく分かります。
保育業界の「新しい当たり前」を、自分の目で確かめに行く
保育の仕事はたしかに楽な道ではありません。ですが、「物流×保育」「保育×療育」のように、企業や異業種と組み合わさることで、働き方やキャリアの選択肢は以前より豊かになりつつあります。
大切なのは、昔のイメージだけで判断せず、自分が大切にしたい価値観に合う園や事業所を、丁寧に探していくこと。気になる園をいくつかピックアップし、見学や説明会で現場の空気を感じてみてください。
「保育は大変そうだから」と諦める前に、新しい形の保育・療育の現場を知ることから、一歩目の業界研究を始めてみてはいかがでしょうか。