出発前:ICTで始まる「今日の1日」の設計
朝はステーション到着と同時に、電子カルテとチャットツールを立ち上げるところからスタートします。夜間の状態変化や家族からの連絡、主治医・学校・デイからの情報をタイムラインで確認し、その日のケア内容や優先順位を整理します。
スタッフ同士のチャットでは、
「昨夜から咳が増えています。吸引頻度を少し意識して確認を」
「今日は学校行事で疲れやすいかも。バイタル変化に注意」
といった短いコメントでリアルタイム共有。出発前に5〜10分のミニカンファレンスを行い、リスクと目標を確認してから訪問へ向かいます。
午前訪問:ご家庭での小児ケアと「らしさ」を守る関わり
午前中は医療的ケア児のお宅を中心に訪問します。吸引や経管栄養、呼吸状態の観察といった医療行為に加え、その子の「らしさ」を大切にした関わりが特徴です。
たとえば、
・好きなアニメや遊びの話題からコミュニケーションを広げる
・リハビリ要素を取り入れた遊びで発達をサポート
・家族が少し休めるよう、見守りとケアを兼ねた時間を確保
といった形で、「治療の時間」だけでなく「生活の時間」を一緒につくります。家族の不安や迷いも、その場で丁寧にヒアリングし、次のチーム連携につなげます。
リアルタイム連携:チャット画面に映る「1人じゃない」安心感
訪問中に気になる変化があれば、その場で写真や動画を撮影し、セキュアなチャットツールにアップロードします。
【チャットイメージ】
看護師A:「右足の皮膚発赤、写真送ります。装具の当たりと思われますが、評価お願いします」
PT:「写真確認しました。次回訪問で再評価しますが、今日はクッションで圧分散を」
管理者:「主治医にも共有しておきます。増悪あればすぐ連絡を」
このように、訪問先でも常にチームが背後にいる状態を保ち、「判断を1人で抱え込まない」体制を実現しています。経験の浅いスタッフでも、チャット越しに先輩が伴走することで安心して判断できます。
午後訪問〜多職種カンファレンス:生活全体を見据えたチーム支援
午後は学校・園への同行や、発達神経症の子どもへの支援訪問が中心です。教員や療育スタッフと一緒に、その子がクラスや地域でどのように過ごせるかを具体的に話し合います。
定期的な多職種カンファレンスでは、
・在宅での医療ケア状況
・学校生活での困りごと・成功体験
・家族の希望する「これからの数か月」
を整理し、「今必要な支援」と「次のステップ」をチームで設計。ARIAは医療の視点だけでなく、「生きる力」「挑戦できる環境」を共有テーマとして提案していきます。
記録・フィードバック:タイムラインで振り返る1日のケア
ステーションへ戻ると、すぐに電子カルテへの記録と、チャットでの簡潔なフィードバックを行います。
・状態変化の要点
・家族から出た新たな希望や不安
・次回訪問までの観察ポイント
をタイムライン形式で共有することで、誰が見ても経過が追いやすくなります。
管理者や先輩はその日の記録をチェックし、「この説明の仕方はよかったね」「ここは次回こうしてみよう」など、短いコメントでフィードバック。訪問現場では伝えきれなかった悩みも、オンライン上で相談できるため、学びと安心が循環する仕組みになっています。
見学・同行訪問の流れと、事前に確認しておきたいポイント
ARIAでは、小児訪問看護の現場を実際に見てから検討したい方に向けて、見学や同行訪問の機会を設けています。一般的な流れは、
1.公式サイトから問い合わせ
2. 日程調整と事前説明(オンラインまたは来所)
3. ステーション見学・同行訪問
4. 振り返り面談
面接や見学時には、
・1人訪問時のサポート体制と連絡手段
・オンコールや夜間対応の具体的な運用
・小児・発達支援で大切にしている考え方
・研修やフィードバックの仕組み
・他職種や学校・地域との連携方法
などを確認しておくと、自分の働き方や大切にしたい価値観との相性をイメージしやすくなります。