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土木資材から“心地よさをつくる素材”へ。ひし形金網業界の進化とこれから求められる人材像

インフラ防災 , カーボンニュートラル , ひし形金網 , プロダクトデザイン , 景観と安全

2026.05.01

「工事現場の裏方」だったひし形金網に何が起きているのか

かつてひし形金網といえば、高速道路のフェンスや落石防護網など、いわゆる“土木資材”の代表格でした。視界に入っても、意識することはほとんどない存在。ところが近年、そのひし形金網が「GOOD DESIGN賞」や「大阪製ブランド」に選ばれ、デザイン誌や建築系メディアにも登場し始めています。インフラを支える安心・安全という役割はそのままに、「空間を演出する素材」「心地よさを生み出す素材」として、静かにポジションを変えつつあるのです。

GOOD DESIGN賞受賞「ニットフェンス」が示した新しい景色

その転換点のひとつが、共和鋼業の「ニットフェンス」。一般的な50mm目・線径3.2mmではなく、同社の強みである細かい網目・多様な線材を生かし、まるで編み物のような表情を持つフェンスとしてGOOD DESIGN賞2019を受賞しました。単なる「囲う」「守る」だけでなく、透け感・影の出方・触り心地まで設計されたプロダクトです。フェンスが風景や建築デザインの一部として評価されることで、「土木資材=無機質」という固定観念が大きく揺さぶられました。

ベンチになる金網「NETBENCH」と“心地よさ”の発見

さらに象徴的なのが、座るためのプロダクト「NETBENCH」。しなやかで強いひし形金網をベンチに用いることで、身体をやさしく受け止める“座り心地”を実現しました。JIDAデザインミュージアム セレクションに選定されるなど、デザイン・機能の両面で高い評価を獲得しています。ここで注目すべきは、金網がもつ“たわむ”“しなる”特性を、あえて表に引き出したこと。落石を受け止めるための柔軟性が、屋外家具の快適さにそのまま転用され、「守る素材」から「心地よさをつくる素材」へと意味づけが変わった事例と言えます。

インフラ、防災、カーボンニュートラル…業界を動かす4つの潮流

ひし形金網業界の変化の背景には、いくつかの大きなトレンドがあります。 ・インフラ需要:老朽化した道路・橋梁の更新で、防護柵や落下物防止網のニーズは継続。 ・防災ニーズ:豪雨・土砂災害対策として、落石・崩落防止用ネットの重要性が増加。 ・カーボンニュートラル:軽量で省資源、長寿命な素材が求められ、エコな設計が重視。 ・意匠デザイン:建築・ランドスケープ分野で“見せる鉄骨”としての需要が拡大。 この4つが重なり、「安全を守りつつ景観・環境にも配慮できる金網」の存在感が増しています。

伸びているのは「企画提案のできるメーカー」

こうした潮流の中で成長しているのが、「言われたモノをつくる」だけでなく、「何ができるか」を一緒に考えるメーカーです。共和鋼業は、網目10mm・線径2.0mmといった特殊仕様まで自社で編める設備と、X-Labなどの開発拠点を持ち、 ・建築家やデザイナーとの共同開発 ・企業・大学とのコラボレーション ・展示会での新提案 を積極的に展開しています。仕様書通りに生産するだけでなく、「こんな表現もできます」「環境負荷を下げるならこの構成を」と企画段階から提案できるメーカーこそ、これから選ばれていく存在と言えるでしょう。

これから求められる人物像と、1日の仕事の流れ

こうした現場で活躍しているのは、たとえば次のような人です。 ・ものづくりが好きで、図面や試作品を前にワクワクできる ・「この素材で何ができる?」とアイデアを出すのが得意 ・環境問題や地域の安全に、現場レベルで関わりたい ある設計・開発担当の1日をイメージすると、 午前:建築事務所からの相談にオンラインで対応、ラフ図面をもとに仕様を検討 午後:工場で試作品を確認し、線径や網目を調整して再トライ 夕方:X-Labのメンバーと新企画のブレスト といった流れ。現場とデスクワークの両方を行き来しながら、「アイデアを形にする」役割を担います。

「自分にもフィットしそうか」を考えるための自己分析のヒント

ひし形金網業界に向いているかを考えるときは、次の問いを自分に投げかけてみてください。 ・身の回りのフェンスや金物を見て、「どうやってつくっているんだろう?」と考えるタイプか ・地味だけれど、暮らしを支える裏方の仕事にやりがいを感じられるか ・環境負荷を減らす工夫や、長く使えるものづくりに興味があるか ・図工や工作、3Dモデリングなど“形にする作業”が好きだったか 一つでも「そうかも」と感じたなら、土木資材としての顔と、デザイン素材としての顔を併せ持つひし形金網の世界は、思いのほかフィットするかもしれません。インフラを支えながら、“心地よい毎日”をつくる素材に関わるキャリアを、一度イメージしてみてください。