X-Labとは何をする場所か
共和鋼業の「X-Lab」は、ひし形金網の“当たり前”を問い直し、新しい価値をつくるための研究開発拠点です。落石防護やフェンスといった土木用途だけでなく、建築、プロダクト、アート、教育、さらにはメタバースまで、ひし形金網の可能性を広げる実験を行っています。 企画・開発職は、その起点となる「問い」を立て、アイデアをプロジェクトに育て上げる役割を担います。
アイデアが仕事になるまでのプロセス
1. “違和感”から始まる着想
X-Labの企画は、「金網ってもっと○○できるのでは?」という素朴な疑問から始まります。 縮小する土木市場を前に、「安心・安全を守る素材」を「心地よさを生み出す素材」に再定義すること。その視点が、すべての出発点です。
2. プロジェクト事例でみる時系列
例えば、建築・デザイン分野とのコラボでは、次のような流れでプロジェクトが進みます。
- ひし形金網ベンチ「NETBENCH」東大阪のデザイナーとの協業から生まれたベンチ。 企画・開発職は、「座るとたわむ心地よさ」というコンセプト設定、構造検証、試作ディレクション、展示会での見せ方まで一貫して関わります。
- グラフィックフェンス工場の金網にスプレーで描いたマリリン・モンローをきっかけに、近畿大学との産学連携へ発展。 写真 →画像処理 → チューブ色と配置への変換アルゴリズムを開発し、大学キャンパスや中之島美術館「HAY OSAKA」の外装・間仕切りとして採用されました。ここでは、企画・開発職が「どう見えるか」だけでなく、「誰がどう使うか」「施工手順はどうするか」までを設計します。
- 展示会「JAPAN SHOP」出展ブース全体を「金網の可能性を体験する場」として構成。 空間デザイナーとの打ち合わせ、コンセプトメッセージづくり、来場者への説明内容、配布資料の構成など、表現とコミュニケーションの両方を担当します。
X-Labの企画・開発職に求められるスキルとマインド
構造と表現の両方を考える力
ひし形金網の特性(しなやかさ、強度、透明感)を理解しつつ、「どう見せるか」「どう使われるか」を設計する力が必要です。CADや3Dツールの経験は強みになりますが、それ以上に大切なのは、構造と体験をセットでイメージできる思考力です。
異分野と対話するコミュニケーション力
相手は建築家、グラフィックデザイナー、大学研究者、自治体担当者など多様です。専門用語だけに頼らず、「なぜ金網なのか」「他素材ではなく金網を使う意味」を、相手の言葉に翻訳して伝える力が求められます。
「再定義」を楽しめる好奇心
X-Labの仕事は、「フェンス=仕切るもの」「金網=土木資材」といった固定観念を疑い続けることです。 メタバース空間での体験設計や教育現場でのワークショップなど、用途が決まっていないテーマにも前向きに飛び込める好奇心が欠かせません。
応募準備に役立つポートフォリオと“伝え方”のコツ
1. 「アウトプット」だけでなく「プロセス」を見せる
X-Labでは、アイデアの出発点から検証・改善のプロセスを重視します。ポートフォリオには、完成写真だけでなく、以下を簡潔にまとめると評価されやすくなります。
- 最初の気づき・課題設定(どんな違和感から始まったのか)
- アイデアの変遷(ボツ案や悩んだポイント)
- 他者との協働で工夫した点(役割分担、合意形成の工夫)
- 使う人・見る人にどんな体験を届けたかったか
2. 「素材の選び方」に理由を持たせる
作品の説明では、「なぜその素材にしたか」を1〜2行で明確に書きましょう。 将来、ひし形金網以外の素材にも展開していく構想があるため、「素材と構造をどう組み合わせて価値をつくるか」を考えてきた経験は高く評価されます。
3.企画書や説明文も“作品”として見られる
展示会パネル、提案書、ワークショップ資料など、文章と図で伝えるアウトプットも重要です。 文字量を絞り、見出しで流れをつくり、「一枚見ればコンセプトが伝わるか」を意識して構成した実例があると説得力が増します。
ひし形金網で「心地よい毎日」を編む仕事
X-Labの企画・開発職は、町工場発の素材で、暮らしの風景や体験を更新していく仕事です。 フェンス、ベンチ、ファサード、アート、教育プログラム、バーチャル空間――「金網で何ができるんやろう?」という問いを起点に、まだ誰も見たことのない使い方をつくり続けていく。そのプロセス自体を楽しめる人に、とてもフィットする環境だと言えるでしょう。