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【代表インタビュー】赤字の町工場を“守り、攻める会社”へ。三代目社長・清水隆裕のリアルな本音トーク

後継ぎの覚悟 , 技術と無茶ぶり案件 , 現場主導の改善 , 町工場の経営改革 , 長寿企業づくり

2026.04.10

1. おでん屋台から町工場の三代目へ──清水隆裕の“寄り道キャリア”ができるまで

清水は、いきなり家業に入ったわけではありません。最初の仕事はなんと「おでん屋台」。接客を通じて、相手の表情を読むことや、常連さんとの距離感を体で覚えました。その後は飲食店向け求人広告の営業、さらにパン屋での勤務と、まったく畑の違う世界を経験します。どの仕事にも共通していたのは、「人の喜ぶ顔がダイレクトに見える現場」だったこと。数字よりも、目の前の相手にどう価値を届けるかを考えるスタイルは、このころに形成されたと言います。結果としてこの“寄り道”が、のちにフコク産業を引き継ぎ、社員やお客様に向き合ううえでの土台になっています。

2. 赤字だった家業を継ぐ決断。「逃げ道を断ってでも守りたかったもの」

そんな清水が家業に戻ったとき、フコク産業は決して順風満帆ではありませんでした。長年の取引や技術はあるものの、収益構造は赤字体質。銀行や取引先からの目線も厳しく、「普通に考えれば、あえて継ぐ理由はない状態」だったと振り返ります。それでも舵を取る決断をしたのは、「自分がやらなければ、この技術も、働いている人の仕事も消えてしまう」と感じたから。逃げ道を残せば、本気になれない。あえて他の選択肢を閉じて、「会社を守りながら、攻められる状態に必ず変える」と腹をくくりました。この覚悟が、今のフコク産業の大きな転換点になっています。

3. 「無茶ぶり大歓迎」は経営戦略──攻めと守りを両立させた逆転発想

清水が掲げたフコク産業の合言葉が「無茶ぶり大歓迎」です。これは単なる勢いではなく、明確な経営戦略。多くの町工場が価格競争に巻き込まれるなか、「他社が断る難しい案件ほど、技術と発想で勝負できる」と考えました。たとえば「こんなゴム、作れますか?」という図面もない相談から、一緒に仕様を固めていく案件。金型の工夫や協力会社との連携で形にした事例が増えるほど、「困ったらフコクに相談しよう」と声がかかるようになります。「守り」は既存のお客様と品質を守ること、「攻め」は無茶ぶり案件から新しい分野に踏み出すこと。この両輪で、赤字体質からの脱却を進めてきました。

4. 若手の一声から現場が動く。「新人でもここまで任せる」清水流の采配

清水が大切にしているのは、ベテランだけでなく若手の声を「現場を変えるきっかけ」にすることです。ある新人は、検査工程のチェックシートを見て「ここをデジタル化したらミスが減るのでは」と提案。清水はその場で「じゃあ、たたき台を作ってみよう」と任せ、最終的に全社のルールとして導入しました。「経験が浅いほど、当たり前を疑える。だからこそ、口に出してほしい」と清水。仕事の進め方や設備の置き方まで、遠慮せず提案してほしいというスタンスです。もちろん失敗することもありますが、「責任は経営側が取るから、まずやってみよう」というのが清水流。自分のアイデアで現場が動く感覚を味わいたい人には、やりがいの大きい環境です。

5. 上場よりも“続けること”を選ぶ理由──地域と業界を守る会社のつくり方

フコク産業には「上場を目指す」という派手な目標はありません。その代わりに清水が口にするのは、「100年、200年、300年と続く会社にする」という言葉です。ゴールではなく、永続することを前提として、「地域や業界のインフラの一部であり続ける」ことを重視しています。象徴的なのが、後継者不在で廃業を考えていた町工場の金型や仕事を引き継ぐ取り組みです。経営者は安心して引退でき、顧客は生産が止まらない。フコク産業は技術を増やし、仕事も増える。いわば「業界のセーフティーネット」の役割です。「数字の派手さより、誰かの困りごとを引き受けて、静かに守り続ける会社でありたい」と清水は語ります。

6. 清水が一緒に働きたい人像。「失敗よりも、黙っていることを怖がってほしい」

清水が求めるのは、完璧なスキルよりも、「わからないことをわからないと言える人」「気づいたことをきちんと言葉にできる人」です。ゴムもシリコーンも、最初から何でもできる人はいません。だからこそ、「こうしたらもっとよくなりませんか?」と一歩踏み込める姿勢を重視します。「失敗すること自体は、たいした問題ではない。怖いのは、気づいているのに何も言わないこと」と清水。図面が読めなくても、工場の経験がなくても、学ぶ意欲と対話する姿勢があれば、現場で鍛えられる環境があります。むしろ異業種からの転職者や、製造業未経験の人の“素朴な疑問”こそ、改善のタネになると考えています。

7. 社長と話してみる・工場をのぞく──一歩踏み出したい人への入口ガイド

「いきなり応募ボタンを押すのはちょっと勇気がいる」という方に向けて、フコク産業では、まず雰囲気を知ってもらう場づくりを意識しています。例えば、清水とざっくばらんに話せるカジュアルなオンライン面談。これまでのキャリアや、ものづくりに対するイメージなどを聞きながら、フコク産業でどんな関わり方ができそうかを一緒に考えます。また、オンライン工場見学会のような形で、実際の製造現場やスタッフの様子を知ってもらう機会も検討しています。「どんな人が働いているのか」「どんな空気感の職場なのか」を確かめたうえで、次の一歩を決めてもらえれば十分です。清水自身も、「まずは話してみないと、お互い何も始まらない」と考えています。