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【キャリアストーリー】元フリーター・未経験から“ゴムのプロ”へ。小さな町工場で見つけた成長のチャンス

ゴム成形加工 , 図面の読み方 , 未経験転職 , 町工場の仕事 , 製造業キャリア

2026.04.08

「図面って何?」から始まった、八尾のゴム工場との出会い

主人公は20代半ばまでフリーター。飲食や販売を転々とし、「手に職をつけたい」と思いながらも、専門スキルと言えるものは何もありませんでした。そんな中、地元・八尾で見つけたのがフコク産業の求人。「工業用ゴム・シリコーン製品」と書かれていてもピンとこないまま、工場見学へ。目の前には、金型、プレス機、よくわからない図面の束。「図面、読める?」と聞かれて思わず「図面って何ですか?」と返したのが、スタートラインでした。それでも、「未経験でいい。ここから学んでくれたら」と代表と先輩が真剣に話してくれたこと、12名ほどの少人数で一人ひとりの顔が見える雰囲気に惹かれ、思い切って入社を決めました。

入社3か月、“謎の曲線だらけの紙”が少しずつ意味を持ち始めるまで

最初の3か月は、とにかく「見る・触る・聞く」の連続です。Oリング、パッキン、防振ゴム…。製品名も用途もわからないまま、先輩の横で現物と図面をセットで見比べました。最初は「謎の曲線だらけの紙」にしか見えなかった図面も、先輩が「この丸が穴ね」「ここの数字が厚み」「この公差が精度の厳しさ」と一つずつ教えてくれるうちに、だんだん“製品の設計図”として立体的にイメージできるようになります。ゴムの硬度違いを手で触り比べる実習では、「数字だけじゃなく、感覚でも覚えるんやで」と言われ、現場ならではの学び方に驚きました。3か月が過ぎるころには、簡単な製品なら自分で図面から形を想像し、段取りを先回りして考えられるようになっていました。

1年目の転機――協力会社との初オンライン打ち合わせで覚えた“任される感覚”

入社から1年ほど経つと、製造だけでなく、協力会社とのやり取りも少しずつ任されるようになります。転機になったのは、ある医療機器向けゴム部品の案件。金型製作をお願いしている協力会社とのオンライン打ち合わせに、先輩と一緒に参加したときでした。先方から「この形状だとゴムが抜けにくい」「硬度を少し落とした方がいいかも」といった専門的な指摘が飛び交います。最初はついていくだけで精一杯でしたが、「現場で成形してる○○くん的にはどう?」と、突然こちらに質問が。自分なりに成形時の感触や不良の傾向を伝えると、「その視点、助かるわ」と言ってもらえた瞬間、「ただの作業者」から「一緒にものづくりをしているメンバー」に変わった感覚がありました。この日を境に、図面を見る目つきも、仕事への責任感も少し変わったと本人は振り返ります。

3年目、医療・半導体・食品…見えないところで社会を支えていると実感した瞬間

3年目になると、担当できる製品の幅が一気に広がります。医療機器向けのシリコーンパーツ、半導体装置内で使われるシール材、食品工場ラインの防振ゴムなど、用途は多岐にわたります。あるとき、テレビで見た医療現場の特集に、自分が関わった機器が映っていました。もちろん、画面の中でゴム部品が見えるわけではありません。それでも、「あの中のどこかに、うちのパーツが入ってる」と思うと、静かな誇りが込み上げてきたといいます。街中の自動ドア、コンビニの冷蔵ショーケース、工場の大型設備…。どれも目に見えるのは一部だけですが、その裏側や“すき間”をゴムで支えるのがフコク産業の仕事。「自分の仕事が社会のインフラになっている」という実感が、3年目の大きなモチベーションになっています。

未経験でもここまで伸びる。3か月・1年・3年で身につくスキルのリアル目安

未経験スタートの社員が実際に身につけたスキルを、期間ごとにまとめると次のようになります。

  • 3か月:ゴム・シリコーン製品の基本名称/図面のごく基本的な読み方(寸法・断面・公差)/成形機の安全な操作と簡単な段取り/硬度や材質の違いを感覚で理解
  • 1年:図面から製造条件をイメージし、先輩と相談しながら段取りを組める/簡単な不良の原因を推測し、対策を提案できる/協力会社・お客様と基本的なやり取りができる
  • 3年:複数案件の段取り・納期調整を自分でコントロール/新規品の試作立ち上げに主体的に関わる/医療・半導体・食品など用途ごとの要求レベルを理解し、提案に反映できる

「工業系の学校を出ていないと無理かな」と不安に思うかもしれませんが、実際は現場OJTと少人数ならではの密なフォローで、ここまで到達できます。

応募前に差がつく「現場の歩き方」と“やってみたポートフォリオ”の作り方

未経験から一歩リードしたいなら、応募前の準備がカギになります。おすすめは次の2つです。

  • 現場見学の「歩き方」を工夫する見学時は「どんな機械がありますか?」より、「この工程で一番大事にしているポイントは何ですか?」と聞いてみてください。安全対策、品質チェックの方法など、現場目線の質問ができると、入社後の伸びしろも伝わりやすくなります。
  • “やってみたポートフォリオ”を用意するプラモデル組み立て、DIY、3Dプリンターでの作品づくりなど、手を動かした経験を写真と一言コメントでまとめておくと立派な「ものづくりポートフォリオ」になります。完成度より、「工夫した点」「うまくいかなかった点と改善」を言語化できているかが重要です。

こうした準備は、フコク産業のような町工場にとって「一緒に悩み、一緒につくっていける人かどうか」を判断するうえで、良い材料になります。

フリーターから“ゴムのプロ”へ。次にこの物語の続きを書くのは、あなたかもしれない

フコク産業で働く未経験入社の社員たちは、最初から特別な資格や知識を持っていたわけではありません。「図面って何?」から始まり、先輩や協力会社との対話を通じて、一つずつ「わからない」を「わかる」に変えてきました。小さな町工場だからこそ、製造だけでなく、お客様対応や新規案件の段取りなど、早い段階から仕事の全体像に触れられます。失敗も含めて経験を重ねることで、「ゴムのことなら、この人に聞こう」と頼られる存在になっていきます。元フリーターだった主人公がそうだったように、「自分には強みなんてない」と感じている人ほど、ここで伸びる余地は大きいのかもしれません。次に、“ゴムのプロ”へのストーリーを紡ぐのは、この記事を読んでいるあなたの番です。