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【100年企業を一緒につくる】4代目社長が語る“畳ませない町工場”のリアルと、これから入社する人へのラブレター

ゴム加工 , 事業承継 , 品質マネジメント , 町工場の経営改革 , 長寿企業づくり

2026.05.26

「上場」ではなく「100年続くこと」をゴールにする理由

フコク産業が目指しているのは、急成長してどこかで「売却」や「上場」をゴールにする姿ではありません。1972年に八尾で生まれた町工場として、「100年、200年と続くこと」そのものを最終ゴールに据えています。理由はシンプルで、ゴム・シリコーン製品は、産業や暮らしのあらゆるところで使われる「なくなったら困るインフラ」だからです。必要とされ続ける存在であるために、短期的なブームよりも、地道な信頼蓄積と技術継承を最優先にしています。

赤字工場からのスタートと「畳ませない」という決意

4代目・清水は、決して「順風満帆な会社」を引き継いだわけではありません。就任前には赤字の時期もあり、「このまま畳んだ方が楽なのでは」と正直に頭をよぎる場面もあったと言います。それでも家業を継いだのは、「先代たちが守ってきた町工場を、自分の代で終わらせたくない」という強い思いがあったから。現場、営業、品質管理を一通り経験しながら、無駄なコストやムラを一つひとつ洗い出し、少しずつ黒字体質へと変えていきました。

ISO9001取得と「無茶ぶり大歓迎」のものづくり

赤字からの立て直しと並行して取り組んだのが、ISO9001の取得です。町工場にとって、書類整備やルール作りは負担も大きい。一方で、大手企業と長く取り引きするには「きちんと管理している会社」であることが不可欠でした。フコク産業は、品質・コスト・納期(QCD)と5Sを徹底しつつ、文化として大事にしてきた「無茶ぶり大歓迎」を捨てませんでした。図面がなくても現物から再現したり、他社が断った素材の組み合わせに挑戦したり。きっちりと、でも柔軟に。それが今の強みにつながっています。

取引・金型を引き継ぐ「業界のセーフティーネット」として

後継者不足で廃業する町工場が増えるなか、「仕事と技術を途切れさせないこと」も清水のテーマです。フコク産業は、廃業予定の同業他社から金型や仕事を引き継ぎ、お客様の生産を止めない役割を担ってきました。ここでは「三方よし」を大切にしています。前社の経営者は安心してバトンを渡せる。お客様は生産を継続できる。フコク産業は技術と取引を受け継ぎ、次世代につなぐことができる。静かですが、業界のインフラのような仕事です。

これから入社する人に期待している3つの役割

清水が新しく入ってくる人に期待しているのは、「職人らしさ」よりも次の3つです。
1. わからないことを、そのままにしない素直さ
2. 現場・営業・品質など、役割をまたいで学ぶ好奇心
3.失敗してもやってみるチャレンジ精神
ゴムの世界は、最初は専門用語だらけで戸惑うかもしれません。でも、「こうしたらもっと良くなるのでは?」と疑問を持ち、周りを巻き込みながら試していける人ほど、成長のスピードが速い会社です。

キャリアチェンジで製造業に飛び込むあなたへ

製造業未経験で「自分に務まるのだろうか」と不安に感じる人もいるかもしれません。清水自身、経営者でありながら、現場作業や品質確認、営業まで一通りを「やりながら覚えてきた人間」です。だからこそ、業界知識ゼロからのスタートに対しても理解があります。大切なのは、これまでの経験を一度まっさらにして、「ゴムの世界で自分の専門性をつくっていく」と決められるかどうか。町工場だからこそ、一人ひとりの成長がそのまま会社の成長に直結します。

“社長からの公開ラブレター”として伝えたいこと

清水が繰り返し口にするのは、「無茶ぶりを引き受けることにこそ、自分たちの伸び代がある」という言葉です。お客様の困りごとに本気で向き合うほど、自社の技術も、協力会社とのチームワークも磨かれていきます。これから入社するあなたには、その輪の中に堂々と入ってきてほしい、と考えています。ゴムのように、形を変えながら環境にフィットしていく。そんな会社と自分の変化を、一緒に面白がってくれる人と、長く時間を重ねていきたい――それが4代目社長からの本音のメッセージです。