1. 「揚重だけの会社」から始まった、エビス流“現場のかゆいところ探し”
2006年、エビスは東大阪で建築資材の荷揚げ(揚重)だけを行う小さな会社としてスタートしました。派手さはなくても、「現場で一番しんどいところを引き受ける」仕事です。そこで代表の松本は、とにかく現場の声を聞き続けました。「この作業が危ない」「ここが手間」「人が足りない」──そんな“かゆいところ”をメモし、どうすれば楽になるかを考える日々。その積み重ねが、後の事業拡張や台車開発のタネになっていきます。売上よりも、「助かったわ」「また頼むで」という一言をどれだけ増やせるか。そこにエビス流の“現場発のものづくり”の原点があります。
2. 解体・電気通信・リフォームへ――現場の困りごとを追いかけた事業拡張の舞台裏
揚重で多くの現場に関わるうち、「解体を頼める人がいない」「ちょっとした手元作業もまとめてお願いしたい」といった相談が舞い込みます。そこでエビスは、内装解体工事、電気通信工事、リフォーム・リノベーション、シャッター工事と、縁のあった職人や協力会社と組みながら領域を拡大していきました。ポイントは、「できそうだからやる」のではなく、「お客様が本当に困っているからやる」こと。揚重+解体+電気+リフォームまで一気通貫で対応できる体制を整えたことで、現場は段取りが楽になり、安全書類も一本化。現場のストレスを減らすことが、エビスの事業づくりの軸になっています。
3.1万台突破の台車シリーズは、ある現場の“もう限界”から生まれた
台車事業のきっかけも、やはり現場でした。ある大型現場で、重い資材を人力と既製の台車でなんとか運んでいたとき、「これ以上はケガ人が出る。もう限界や」という声が上がります。そこでエビスは、自分たちが欲しい台車をゼロから企画。床を傷つけにくい車輪、狭い通路を曲がりやすいサイズ、現場で分解・積み替えしやすい構造などを、現場スタッフと一緒に試作・改良しました。この“現場仕様”の台車が口コミで広がり、ECサイトでの販売を開始。結果として、シリーズ累計1万台以上を販売する主力商品に育ちました。「楽になった」「安全になった」という実感が、そのままヒットに変わった好例です。
4. 特注台車プロジェクトに学ぶ、現場とものづくりをつなぐ仕事
台車研究所では、既製品だけでなく特注台車の相談も多く寄せられます。たとえば、超長尺の資材をエレベーターで上げたい、機械設備を傷つけずに細い通路を通したい、など一件ごとに条件はバラバラ。そこで担当者は現場に足を運び、寸法を測り、動線を一緒に歩きながら設計に落とし込みます。図面だけでは分からない“現場のクセ”を、ものづくり側にどう伝えるかが腕の見せどころ。試作→現場テスト→改良を繰り返し、「これでやっと安心して搬入できる」と言ってもらえたとき、図面以上のやりがいがあります。エンジニアと職人、両方の視点が好きな人には、特におもしろいフィールドです。
5. 台車サブスク「subsCarry」が教えてくれた、挑戦と撤退のリアル
エビスは、台車のサブスクリプションサービス「subsCarry」にも挑戦しました。「必要なときだけ台車を使いたい」「保管スペースがない」という声に応えるアイデアでしたが、運用コストや現場の利用スタイルとのギャップも大きく、2025年にサービス終了という決断をしました。ただ、それは失敗ではなく学びのプロセスだと捉えています。レンタル台車の運用ノウハウ、メンテナンス体制、物流の仕組みなど、subsCarryで培った知見は、現在のレンタル事業やEC運営にしっかり活きています。「やってみて、ダメならきれいにやめる」。若い会社だからこそできるスピード感で、次の挑戦に活かしていく文化があります。
6. 若い会社だからできたスピード経営と、“未来よし”を見据えた後継者づくり
エビスの特徴は、「三方よし」に【未来よし】を加えた“四方よし”の発想です。売り手・買い手・社会だけでなく、未来の社員やパートナーにとっても良い会社であること。そのために、代表は早い段階から後継者を指名し、現場・経営の両方を任せながら育成を進めています。「トップのワンマンで突っ走る」のではなく、価値観を共有できるリーダーを増やすことで、会社のスピードと柔軟性を保ち続ける狙いです。朝礼での輪読や意見発表、現場の気づきを製品に反映する仕組みなど、「人としてどこに行っても恥ずかしくない力」を育てる土台づくりにも力を入れています。
7. 「気になる」を一歩進めるための、カジュアル面談・職場見学アクションリスト
ここまで読んで「少し気になる」と感じた方に向けて、次の一歩をまとめます。
- 公式サイト(https://www.ebisu-e.jp)で事業内容や台車研究所のページをチェックする
- ネットショップ(台車屋さん、台車屋エビスなど)を覗き、どんな商品があるか、説明の仕方を見てみる
- 「どんな現場やものづくりに関わってみたいか」を、3つほどメモしておく
- 気になる事業(揚重、解体、台車開発、レンタルなど)を1つ選び、「そこで自分がどう役に立てそうか」を簡単に言語化してみる
- その上で、カジュアル面談や職場見学の機会があれば、「やりたいこと」と「気になっていること」を率直に質問してみる
エビスの仕事は、派手なプレゼンより、現場のリアルと向き合うことが中心です。「人の役に立つ実感がほしい」「自分のアイデアを形にしてみたい」と思う人ほど、おもしろさを感じてもらえるはずです。