現場の「困った」から生まれた、日本初クラスの台車専門店
株式会社エビスが運営する「台車研究所」は、建築現場での揚重工事から生まれた、日本初クラスの台車専門店です。代表の松本は、かつて自らが現場で大けがを負った経験から「現場に本当に合う台車がない」という課題に直面し、自作台車の開発を開始しました。
以来、揚重・解体・電気通信・シャッター工事といった多様な現場で培ったノウハウを活かし、「必要な人に、必要な台車を届ける」ための開発・販売・レンタルを一気通貫で行っています。
台車研究所のエンジニア・企画職の仕事とは
台車研究所の開発は、「台車をつくること」自体がゴールではありません。出発点はいつも、現場の切実な声です。
- 現場の声を聞く(用途・環境・制約条件のヒアリング)
- 問題を整理する(なぜ困っているのかを言語化)
- 台車の仕様を考える(サイズ・耐荷重・素材・構造など)
- 図面化・試作(CADによる設計、製作指示)
- 現場テスト(実際の使用環境で検証)
- 改良・ブラッシュアップ(不具合や改善点を反映)
この一連のプロセスを、エンジニアと企画職がチームで推進していきます。単に図面を引くだけでなく、「どんな人が、どんな現場で、どう使うのか」を起点に、仕様を決めていく点が特徴です。
現場発の開発事例:ピアノ用台車・イベント用台車
グランドピアノを安全に運ぶ専用台車
ある音楽関係のお客様から、「グランドピアノをステージ上で安全に移動させたい」という相談が持ち込まれました。通常の平台車では重心が高く、転倒や振動による故障リスクがあります。
そこで、エンジニアと企画職が行ったのは次のような設計です。
- ピアノの脚位置に合わせたフレーム形状
- ステージ床を傷つけないキャスター選定
- 演奏時の揺れを抑えるための固定方法
試作とリハーサル現場でのテストを重ね、「演奏中に載せたままでも安定している」と評価される台車が完成しました。
イベント用・マーチングバンド台車
高校の吹奏楽部からは、「ドラムセットを載せて演奏しながら移動したい」という要望がありました。ここでも、楽器のレイアウトや演者の動きを細かくヒアリングし、転倒防止と音への影響を抑える構造を検討。イベント会場で実際に使いながら細かな改良を重ねていきました。
こうした「一点もの」の開発は、単なる製品づくりではなく、「現場のやりたいことを実現するためのパートナー」として関わる仕事でもあります。
CAD未経験・文系出身でも挑戦できるステップ
台車研究所では、CAD経験や理系出身であることは必須条件ではありません。ものづくりの現場に興味があり、相手の話を丁寧に聞ける人であれば、文系出身者でも活躍できる環境があります。
入社後は、次のようなステップでスキルを身につけていきます。
- 既存台車の構造を見ながら、寸法や部材の意味を学ぶ
- 先輩が作成したCAD図面に手を入れながら操作を習得する
- 簡単なカスタマイズ案件から担当し、現場のフィードバックを聞く
- 仕様検討ミーティングや現場同行に参加し、提案力を磨く
図面の精度以上に、「お客様の課題を正確に理解できているか」が重視されるため、文系出身者の「言語化力」「整理する力」がそのまま強みになります。
職人とのコミュニケーションが、台車を進化させる
設計図だけでは、現場のリアルは見えません。台車研究所では、自社の揚重メンバーや協力職人と密にやり取りしながら、使い勝手を検証していきます。
- 「どこが危なかったか」「どこが重かったか」を具体的に聞く
- 写真や動画で使用シーンを共有し、改善点をディスカッションする
- 小さな不満も次の試作に必ず反映する
こうした往復を続けることで、カタログスペックだけでは表現できない「現場で信頼される台車」が生まれていきます。
アイデアで誰かを助ける「ものづくりキャリア」
台車研究所の仕事は、華やかな最終製品をつくるものではありません。しかし、「この台車のおかげで、うちの現場が安全になった」「イベントがスムーズに進行できた」といった感謝の言葉がダイレクトに返ってくる仕事です。
自分のアイデアや工夫で、誰かの「困った」を解決したい。現場のリアルに触れながら、ものづくりの可能性を広げていきたい。そうした思いを持つ人にとって、「台車開発×現場経験」というキャリアは、確かなやりがいと成長の実感を与えてくれるフィールドと言えるでしょう。