採用メディア発信サイト

会社のこと

【代表インタビュー】「しょうがない」をひっくり返す──片足販売と3Dプリントでシューズの常識を変える仕事

3Dプリント技術 , カスタムシューズ , 左右サイズ違い , 片足販売システム , 足の健康

2026.03.30

「20人に1人」の違和感から始まった問い直し

株式会社DIFF.の事業は、「シューズは両足セットで売るもの」という前提を疑うところから始まっています。代表・清水雄一が注目したのは、左右で足の大きさが違う人たちの存在です。医療や統計の領域では、約20人に1人が「左右差によって、既製品の靴がどちらか一方は合わない」という課題に直面していると言われます。

実際には、多くの人が「少し痛いけれど、履けないわけではない」「同じサイズを2足買うのはもったいない」と我慢を選びます。体の痛みか、財布の痛みか。どちらかを当然の代償として受け入れている状況を、清水は「本当にそれでいいのか」と問い直しました。

片足販売というシンプルだが難しい挑戦

DIFF.が取り組むのは、シューズを左右別々のサイズにバラし、片方ずつ買える仕組みづくりです。発想自体はシンプルですが、既存のサプライチェーンはすべて「両足セット」を前提に最適化されています。在庫管理、価格設定、流通、表示ルールなど、あらゆるプロセスが片足販売と相性が良くありません。

そこで同社は、大阪・梅田を拠点に、メーカー・小売店・EC事業者とのパートナーシップ構築を進めながら、「片足で管理できる在庫システム」や「左右サイズ違いを選びやすいUI」など、販売方法そのものを再設計しています。単にアイデアを語るのではなく、仕組みを実装していくことで、シューズ業界の前提を書き換えようとしています。

足の機能を守る3Dプリントシューズ事業

もう一つの柱が、足の機能を守る3Dプリントシューズ事業です。左右差が大きい人、外反母趾や扁平足などで既製品が合わない人にとって、「サイズを変えられる」だけでは十分ではありません。足の形状や荷重のかかり方に合わせて、靴そのものの形を変える必要があります。

DIFF.は3Dスキャンや足型データを活用し、一人ひとりの足に合わせてソールやアッパーを最適化できるシューズの開発を進めています。3Dプリント技術を使うことで、従来はオーダーメイドでも高価だったカスタムシューズを、より現実的な価格とスピードで提供できる可能性があります。

「しょうがない」をひっくり返すという文化

同社の文化の中心にあるのは、「しょうがない」とされてきたことを、そのまま受け入れない姿勢です。左右で足の大きさが違う人が抱える不便や痛みは、これまで「少数派だから」「コストに見合わないから」と見過ごされてきました。

DIFF.は、それをビジネスの言葉に翻訳し、「仕組みを変えれば解決できる課題」として捉え直しています。常識を疑うだけでなく、在庫・価格・テクノロジー・ユーザー体験といった具体的な論点に落とし込んでいくところに、この会社らしさがあります。

3〜5年で描く世界と事業の広がり

今後3〜5年で清水が目指しているのは、「左右別サイズで靴を買うこと」が特別ではなくなる世界です。片足販売が当たり前になれば、左右差のある人だけでなく、義足ユーザーや、怪我で片足だけサイズが変わった人など、これまで選択肢が限られていた人たちにもフィットするマーケットが広がります。

さらに、3Dプリントシューズ事業を通じて、医療・リハビリ領域との連携や、スポーツ分野でのパフォーマンス向上支援といった展開も視野に入れています。「足に合わせて靴を作る」ことを前提にすれば、健康寿命の延伸や、転倒リスクの低減といった社会課題の解決にもつながります。

求職者が押さえておきたい事業理解のポイント

面接前に意識しておきたいのは、DIFF.の事業が「プロダクト開発」だけで完結しないということです。片足販売の仕組みづくりは、メーカーや小売の業務プロセスに踏み込むビジネス設計でもあり、3Dプリントシューズはデジタル技術とヘルスケアの知見を掛け合わせる挑戦でもあります。

そのため、求められるのは単一の専門性だけではありません。「当たり前になっている前提は何か」「どこを変えれば、一番インパクトが大きいか」を考え、関係者を巻き込みながら実装までやり切る姿勢が重要になります。

キャリアとしての「当たり前を問い直す」力

DIFF.の仕事は、シューズ業界だけに通用するスキルにとどまりません。前提を疑い、当事者の痛みに目を向け、ビジネスとして成立する解決策に落とし込む。このプロセス自体が、どの業界でも通用する「常識を変える力」です。

自分のキャリアにおいて、「これは仕方がない」と諦めてきたテーマは何か。その問いからスタートし、仕組みを変える側に回る経験を積むことは、専門性以上の価値を持ちます。大阪から始まったDIFF.の挑戦は、「少数派」とされてきた人たちの当たり前を見直すだけでなく、働く一人ひとりのキャリアの前提をも問い直すきっかけになりつつあります。