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仕事のこと

【プロジェクトストーリー】左右でサイズが違うお客様の「はじめて痛くない靴」までの120日間

3D計測 , オーダーメイド靴 , フィッティング改善 , 左右サイズ違い , 片足販売システム

2026.04.28

1日目:初回ヒアリングで見えた「痛み」と「諦め」

今回の主人公は、左右で0.8cmほど足のサイズが違う30代のお客様。これまで「小さいほうに合わせて大きい足が痛い」か「大きいほうに合わせて小さい足が靴の中で泳ぐ」かの二択だったと言います。初回ヒアリングでは、サイズだけでなく、これまでの失敗体験、仕事中の動き方、休日の過ごし方まで丁寧にヒアリング。印象的だったのは、「靴で悩むのは自分のせいだと思っていた」という一言でした。ここから、単なるサイズ調整ではなく、「諦め」を前提にしないプロジェクトが始まりました。

15日目:3D計測と「左右別々の正解」を探す設計フェーズ

次のステップは3D計測。足長・足幅・甲の高さに加え、荷重時の形の変化も含めてデータ化します。ここで重要なのは、「左右を平均して1つのサイズにする」発想を捨てること。DIFF.では、左右それぞれにとっての最適解を探します。3Dプリント前提の設計なので、左は細め・右は少しボリューム多めなど、パーツ単位で条件を変えられます。この時点で、エンジニア・デザイナー・カスタマー担当が同じデータを見ながら、「歩き方」と「仕事のシーン」をベースに仕様を決めていきました。

45日目:試作品第1号と、あえて残した「違和感」

約1か月後、試作品第1号が完成。初回フィッティングでは、お客様から「これまでで一番ラクだけど、右足の甲だけ夕方に少しきつくなる」とフィードバックがありました。この段階で、あえて「完璧」を狙いすぎないのもDIFF.の特徴です。理由は、実際の生活シーンでしか見えない違和感が必ずあるから。そこで、日中の歩行距離や階段利用の頻度を再ヒアリングし、右足甲の余裕量とインソールの支え位置を微調整する方針に。単なるサイズ調整でなく、生活パターンから設計を見直すプロセスを共有しながら進めました。

75日目:社内連携の裏側と、データから読み解く「痛みの理由」

第2号試作に向けては、3Dデータと使用感のメモを紐づけた「仮説シート」を作成。デザイナーは「見た目のボリューム感」を、エンジニアは「荷重分布と素材厚」を、カスタマー担当は「お客様の言葉」をそれぞれ持ち寄ります。右足甲の痛みについては、3Dデータ上の数値よりも「片足で立ったときの癖」が影響していると判明。結果、ソールの硬度とねじれ剛性を左右で変えるという決定に至りました。社内では、数値・3D形状・言語情報の3つを往復しながら、「なぜ痛いのか」の理由を突き止めていきます。

100日目:第2号試作で見えた「歩き方の変化」

第2号試作では、履いた瞬間のコメントが「なんか、立っているだけで楽になった気がする」に変化。ここで注目したのは、歩き方の変化です。初回に比べて、右足をかばうような歩き方が減り、左右のふくらはぎの張り方も均一に。1〜2週間の試用期間を設け、通勤・買い物・長時間の立ち仕事などのシーンごとに感想を記録してもらいました。「夕方になっても、靴を脱ぎたいと思わなかった日は初めて」という言葉が、方向性が間違っていなかったことの確認になりました。

120日目:「はじめて痛くない靴」が完成した瞬間

微調整を経て完成したペアをお渡ししたのが、プロジェクト開始から約120日後。左右でサイズも設計思想も少しずつ違う、完全オーダーの一足です。お客様は「靴を選ぶとき、痛みと値段のどちらかを我慢するのが当たり前だと思っていた」と話していました。その「当たり前」が書き換わった瞬間、メンバー全員がこの仕事の意味を再確認します。DIFF.のプロジェクトは、片足販売と3Dプリントという仕組みを通じて、「諦めなくていい選択肢」を増やすことに直結しています。

DIFF.の仕事とマッチしやすい人の3つの特徴と、活きる経験

このプロジェクトを振り返ると、DIFF.と相性が良いのは次のような人です。

  • 「しょうがない」で済まされている不便に違和感を持てる人
  • 数値データと人の感覚、どちらの言葉も行き来できる人
  • 正解が決まっていない中で、仮説と検証を楽しめる人

選考でアピールしやすいのは、例えば「ユーザーの声からサービスを改善した経験」「プロトタイプを何度も作り直したプロジェクト」「異なる専門性のメンバーと協働した事例」など。完璧な答えより、「どう考え、どうやり直したか」が伝わるエピソードが、DIFF.の仕事と強くつながっていきます。