バイヤーの1日は「情報のシャワー」を浴びるところから
ワインバイヤーの仕事は、朝から情報との戦いです。海外生産者から届くメール、為替レート、物流ニュース、国内の販売データ…。まずはそれらをざっとチェックし、「今日はどの案件を前に進めるか」を決めます。
並行して、営業から「この価格帯でよく売れている」「お客様がこういう味を探している」といった声を集め、頭の中でパズルのように組み立てます。
1日のうち多くを占めるのは、メール・オンライン会議・社内打ち合わせ。華やかさより、「地味な情報整理と判断の連続」が現実に近い姿です。
ヒット商品を見抜く「市場感覚」のつくり方
「おいしい=売れる」ではないのがワインの難しさです。バイヤーが見ているのは、味わいだけでなく「誰が・どんなシーンで・いくらなら買うか」という具体的なイメージです。
そのために、スーパーや酒販店の棚を日常的にチェックし、価格帯・産地・ラベルデザインの傾向を観察します。SNSや口コミサイトで、実際に飲んでいる人のコメントも確認します。
こうした「現場の声」と自社の販売データを重ねて、「次に伸びそうなゾーン」を仮説立てする。ヒットを生むのは、センスというより仮説と検証の積み重ねです。
世界各国の生産者と交渉するときに考えていること
海外の生産者とのやりとりでは、単に「安くしてください」では交渉はまとまりません。重要なのは、三方よしのバランスです。
・消費者:この価格なら手に取りやすいか
・販売先:売り場で提案しやすい利益設計か
・生産者:継続的に造り続けられる条件か
こうした視点で、ロット(発注数量)、ヴィンテージ、ボトルやラベルの仕様などを一つひとつ詰めていきます。
ダイセイワールドのような少数精鋭の会社では、社内決裁が速く、チャンスと思えば即断できるスピード感も大きな武器になります。
数字と語学、どれくらいできればバイヤーになれる?
「数字が苦手でも大丈夫?」「英語はペラペラじゃないと無理?」という不安はよく聞かれます。
数字に関しては、高度な数学よりも「原価・粗利・為替レートの基本計算」が正確にできれば十分です。エクセルでのシミュレーションに慣れておくとスムーズです。
語学は、メールの読み書きと、オンライン会議で意思疎通できるレベルがあればスタート可能。最近は翻訳ツールも活用できます。
それより大事なのは、「わからないことをそのままにしない」「相手に誤解なく伝わるまで確認する」という姿勢です。
日常生活でできる「市場感覚」の鍛え方
未経験の方でも、今日からできるトレーニングがあります。例えば、
・近所のスーパーやドラッグストアで、ワイン売り場を毎回チェックする
・気になったボトルの「価格・産地・デザイン」と、自分の購買理由を書き留める
・ネットショップでレビューを読み、「なぜ高評価なのか」を要約してみる
・外食したときはワインリストの構成と価格帯を観察する
こうした習慣を続けると、「売り場に並ぶ商品の裏側」に自然と意識が向き、バイヤーに必要な感覚が少しずつ磨かれていきます。
未経験からバイヤーを目指す人が今からやっておきたい3つのアクション
バイヤー職への第一歩として、おすすめしたい行動は次の3つです。
1. ワインの基本知識を学ぶ:産地・品種・スタイルの基礎を本やオンライン講座でインプット。
2. データを見る習慣をつくる:売上ランキングや市場レポートを見て、「なぜ売れているか」を自分なりに分析してみる。
3. 英語メールに慣れる:簡単なビジネス英語のフレーズを使って、問い合わせメールを書く練習をする。
完璧を目指す必要はなく、「少しずつでも続けられるか」が、キャリアの伸びしろを左右します。
ダイセイワールドのバイヤーが大切にしている視点
酒類専門商社であるダイセイワールドのバイヤーが重視しているのは、「品質・価格・サービス」のバランスです。
・品質:単に安いだけでなく、ストーリーや差別化ポイントがあるか
・価格:全国2,000社超の販売先で戦える現実的な設定か
・サービス:売り場で提案しやすい情報やサポートを提供できるか
少数精鋭だからこそ、一人ひとりの判断がダイレクトに売上と信頼に影響します。「小粒でもピリッと効く」存在を目指し、日々、世界と売り場をつなぐ仕事に向き合っています。