01|開店前の堀江スタジオに集まるメンバー──「今日はアメリカとシンガポールから来るらしい」
午前9時半、堀江のスタジオに講師とスタッフが集まりはじめます。今日のマンガ体験の参加者は、アメリカからの家族連れと、シンガポールの大学生グループ。受付担当は名札や日本語・英語の案内カードをテーブルに並べ、講師はサンプル原稿やコマ割りの見本をチェックします。ホワイトボードには、日本語と英語で「ようこそ Horie Art School」の文字。担当スタッフは、参加者のレベルや目的(観光の思い出づくりか、本気で学びたいのか)を簡単に共有し合います。「今日のグループはアニメ好きが多そう」「じゃあ背景は有名な大阪の街並みを題材にしようか」。そんな会話から、90分のプログラムが細かく調整されていきます。
02|英語ペラペラじゃなくても場を回す──現場スタッフ・美咲さんの“マンガ的コミュニケーション術”
この日のリーダーは、留学経験もなく「英語は得意じゃない」と話すスタッフの美咲さん。それでも場はスムーズに進行していきます。ポイントは、言葉だけに頼らない“マンガ的”コミュニケーションです。・簡単なフレーズ+ジェスチャーで説明する・ホワイトボードにミニ漫画を描いて、手順を視覚化する・「OK?」「Good?」など、短い確認をこまめに入れる笑顔とスケッチ一本で伝える姿勢は、参加者の緊張をほどきます。「Perfect!」と返ってくる瞬間、美咲さん自身も手応えを感じると言います。英語力より、「伝えたい」「楽しんでほしい」という気持ちと、絵を使った工夫が仕事を支えています。
03|1本のシャーペンから始まる国際交流──訪日外国人ワークショップの90分を追う
ワークショップは、まず1本のシャーペンから始まります。自己紹介代わりに「好きなキャラクター」を1分でラフスケッチ。国や年齢に関係なく、その場が一気にやわらぎます。次に、日本式マンガの特徴を短く解説。コマ割り、効果線、表情の描き分けなどを、講師が実演しながら見せていきます。その後は参加者それぞれが「大阪旅行で一番楽しかったこと」をテーマに4コマを制作。言葉に詰まっても、講師が横でアイデアをスケッチしてサポート。「Takoyaki hot!」「Lost in subway…」など、英語とイラストが混じったネームが生まれます。90分が終わる頃には、テーブルの上に10カ国語以上の「マンガのことば」が並びます。
04|描き終わったあとが本番だった──参加者の一言を次の企画に変えるチームの会議風景
参加者が帰った後、スタッフはすぐに片付け……ではなく、まず振り返りのミーティングを行います。この日も「もっと背景の描き方を知りたかった」「子どもと大人でレベルを分けてほしい」といった感想が共有されました。ホワイトボードには、良かった点と改善点を日本語でメモ。その場で次回案がどんどん出てきます。・背景だけのショートレッスンを追加する・家族向けとクリエイター志望向けでカリキュラムを分ける・英語版のサンプル原稿を作るこうして一人の参加者の一言が、新しい企画や教材に変わっていきます。小さなスタジオだからこそ、現場の声がダイレクトに次のサービスに反映されるのが、この仕事の醍醐味です。
05|堀江から東京、そしてアジアの教室へ──小さなスタジオで練っている「日本式マンガ教育」の輸出計画
堀江の教室で積み重ねた経験は、次のステップへつながっています。まずは東京での拠点づくり。訪日外国人が多く集まるエリアで、短期ワークショップと長期コースを組み合わせたプログラムを構想中です。さらにその先には、中国をはじめとしたアジア圏での展開も視野に入れています。現地の文化や教育制度を尊重しながら、日本式の「個別指導」「感情表現の細やかさ」をどう翻訳していくか。堀江の小さなスタジオで、講師陣は海外向けカリキュラムの試作品を日々テストしています。ここでのトライ&エラーが、数年後には海外の教室やオンライン講座として形になる――そんな未来図を現実的なプランとして描いている段階です。
06|海外要素のある仕事に向いているのはどんな人?現場で見えた3つの共通点
実際に現場で活躍しているスタッフには、いくつかの共通点があります。1つ目は、「言葉が通じなくても楽しませたい」というサービス精神。英語力より、相手の反応を見ながら工夫できる人が伸びています。2つ目は、カルチャーの違いを面白がれる感性。「その表現、あなたの国ではどう描く?」と素直に聞ける好奇心です。3つ目は、試行錯誤を楽しめること。毎回参加者の国籍も年齢も違うため、同じ進行は通用しません。うまくいかなかった点を次に活かせる人ほど、国際色の強い現場で成長していきます。語学や経歴より、こうした姿勢が「マンガで世界とつながる仕事」のベースになっています。
07|応募前から始められる3つの準備──語学・ポートフォリオ・情報発信の具体アクション
海外要素のある仕事に興味がある方が、今日からできる準備を3つ紹介します。1. 語学:いきなり流暢さを目指すより、「レッスンで使いそうなフレーズ」を優先的に覚えるのがおすすめです。例:・“Let’s draw together.” “You can choose.” “Great idea!”などの一言コメント。2. ポートフォリオ:作品ごとに簡単な英語キャプションを付けてみてください。・Title / Concept / Tools / Story の4項目を英語で一行ずつ書くだけでも、「海外向けに伝える」練習になります。3. 情報発信:SNSやポートフォリオサイトで、日本語投稿に短い英訳を添えて発信してみましょう。また、当社のマンガ体験ページを見ながら、「自分ならどんなテーマのワークショップを企画するか」を考えてみると、現場のイメージがぐっと具体的になります。こうした小さな一歩の積み重ねが、堀江から世界へつながるキャリアの土台になっていきます。