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【海外×マンガ】インバウンド需要で広がる新しい仕事のカタチ|訪日外国人マンガ体験から読む業界の未来予測

インバウンド観光 , クリエイター育成 , マンガ体験 , 異文化コミュニケーション , 訪日外国人

2026.03.09

観光・教育・エンタメが交わる「訪日外国人マンガ体験」とは

大阪・堀江に本社を置く株式会社コミックエージェント(代表取締役 伊藤貴志)が運営する「堀江アートスクール」では、日本在住の子ども・大人向けの授業だけでなく、訪日外国人向けのマンガ体験を継続して実施しています。中国からの「事体験」アクティブツアーにも選ばれ、これまでにのべ1,000人以上が参加。いま、観光・教育・エンタメが交わる新しい形の“マンガの仕事”として注目されています。

どんな国の人が、どんな体験を求めているのか

参加者は、中国・シンガポール・オーストラリアなどアジア・オセアニア圏が中心。共通しているのは「読む」だけではなく「自分で描いてみたい」という欲求の強さです。

  • 中国:団体ツアーが多く、将来クリエイターを目指す学生も参加。コマ割りやストーリーマンガへの関心が高め。
  • シンガポール:英語圏のポップカルチャーに親しんでおり、キャラクターデザインやグッズを意識したイラストが人気。
  • オーストラリア:旅行の一プログラムとして、家族や友人同士で楽しむ人が中心。似顔絵マンガや旅の思い出を1ページマンガにする体験が好評です。

「観光の合間にちょっと描いてみる」だけでなく、「日本式の描き方を体系的に知りたい」「将来は日本で学びたい」という、キャリアにつながるニーズも見えてきています。

現場で生まれた印象的なエピソード

堀江アートスクールの講師であり、14歳でマンガ大賞を受賞した実績を持つ伊藤しーりん氏は、中国・上海出身。日本語が読めなかった来日当初も、日本のマンガは「絵だけでストーリーが伝わった」と語ります。

そのバックグラウンドもあり、海外の参加者にとって「日本語が完璧でなくてもマンガは伝わる」という説得力のあるロールモデルになっています。実際の体験では、言葉に詰まるときはジェスチャーや描きながら説明し、それでも通じ合えたときに、参加者の表情が一気にほぐれる場面がよくあります。「言葉より先に“絵”で分かり合える」――それがこの仕事の大きな魅力です。

語学力はどこまで必要?「カタコトでも大丈夫」の実感値

訪日外国人向けのマンガ体験では、ビジネスレベルの英語よりも、「描き方を伝えるための最低限のフレーズ+非言語コミュニケーション」が重要になります。

たとえば、次のような英語が使えれば、レッスンは十分成立します。

  • “Let’s draw step by step.”(一緒に順番に描いてみましょう)
  • “First, draw a circle.”(まず、丸を描いてください)
  • “Good! Try once more, a little bigger.”(いいですね!もう一度、少し大きく描いてみましょう)
  • “You can choose any character you like.”(好きなキャラクターを選んでOKです)

多少文法が崩れていても、笑顔・アイコンタクト・描きながらの説明があれば問題ありません。大切なのは「相手に楽しんでもらいたい」という姿勢と、ゆっくり・はっきり話すことです。

国別の人気ジャンルを調べるシンプルな方法

「どの国で、どんな作品が人気なのか」を押さえておくと、会話のきっかけにもなり、提案もしやすくなります。難しいリサーチは不要で、次のような方法から始められます。

  • 英語のアニメ・マンガ情報サイトで「Top manga in ◯◯(国名)」と検索
  • Netflixや各国向け配信サービスの「人気ランキング」をチェック
  • TwitterやTikTokで「#manga」「#anime」と国名を組み合わせて検索

「その国で人気の作品の絵柄」+「自分の得意なテイスト」を掛け合わせると、参加者のテンションが一段上がる提案がしやすくなります。

海外向けに見せるポートフォリオのコツ

海外を視野に入れてマンガ・イラストの仕事をしたい人は、ポートフォリオの見せ方も少し工夫すると効果的です。

  • 自己紹介を英語で1パラグラフ添える:“I’m a manga artist based in Osaka, Japan.” のようなシンプルな文章でOK。
  • 作品説明も短い英語キャプションを:ジャンルやテーマを一行で書くと、初対面でも話を振りやすくなります。
  • 「手順」が分かるページを入れる:ラフ→線画→仕上げ、の3工程を1ページにまとめると、教える力のアピールにもなります。
  • スマホで見やすい構成に:海外のクライアントや参加者に見せる場面では、PDFやWebポートフォリオが便利です。

今からできる「海外×マンガ」への準備リスト

世界を視野に入れてマンガ・イラストの仕事を目指すなら、次のような小さな一歩から始めてみてください。

  • 描き方説明に使えそうな英語フレーズを5個だけ暗記する
  • 好きな作品が、どの国で人気なのかを1つ調べてみる
  • 自分のポートフォリオに、英語の自己紹介ページを1ページ足す
  • 外国人観光客が多いエリアに行き、「どんなキャラクターグッズが売れているか」を観察する

訪日外国人向けマンガ体験は、観光・教育・エンタメをつなぐ新しい仕事のかたちです。絵を描く力に、ほんの少しの語学とコミュニケーションを掛け合わせることで、活躍のフィールドは一気に世界へ広がります。「英語はカタコトだけど、マンガの魅力を海外に伝えたい」――そんな人ほど、この分野で強みを発揮できる可能性があります。