5,500円の伊勢海老ラーメンは、どこから生まれたのか
大阪・なんばのラーメン店「RAMENえびの女神」に並ぶのは、なんと5,500円の伊勢海老ラーメン。「高すぎない?」「本当に頼む人いるの?」と感じる価格設定ですが、背景には水産流通のプロ集団・A.A.O passionならではの発想があります。
伊勢海老をただ“高級食材”として扱うのではなく、「完全養殖」「国産の飼料・種苗」といった同社のこだわりや、水産業の価値を丸ごと伝える一杯として設計。価格以上のストーリーを体験してもらうための、あえての挑戦なのです。
“足が折れた伊勢海老”を買い取る、SDGsなラーメンづくり
「えびの女神」では、足やツノが折れて見た目の基準を満たさず、市場で値がつきにくい伊勢海老も積極的に買い取ります。味にはまったく問題がないのに、規格外というだけで廃棄されてしまう――そんな現実を、ラーメンという形に変えて救い上げているのです。
水産の現場を知るからこそ、「もったいない」をビジネスに変える視点が自然と生まれる。SDGsやフードロス削減を、説教ではなく“おいしい体験”として伝えている点が、この企画のユニークさと言えるでしょう。
「そんなの無理でしょ?」から始まる、社内企画会議のリアル
A.A.O passionの企画会議は、「それ、面白いね」が出発点。5,500円ラーメンの案が出たときも、最初は社内から「本当に売れるのか?」「原価はどうする?」と現実的な声が上がりました。
そこで同社が行うのは、すぐに否定するのではなく、
・なぜ今やる意味があるのか
・水産や地域にどんなインパクトを生むのか
・他社にはできない強みは何か
を一つずつ言語化していくプロセス。無茶に見えるアイデアも、筋の通った“事業”へと磨き込まれていきます。
若手が「巻き込まれていく」チャレンジングな現場
特徴的なのは、経験年数や役職に関わらず、若手メンバーが企画の中心にどんどん巻き込まれていくことです。ラーメンの提供方法やSNSでの打ち出し、店舗オペレーションの改善など、「やってみたい」と手を挙げた人に任せる文化があります。
失敗しても「じゃあ次はどうする?」と一緒に考えるスタンスなので、挑戦がマイナス評価になりにくい。小さな仮説検証を積み重ねながら、自分のアイデアで売上やお客様の反応が変わる面白さを、日常的に味わえる環境です。
ラーメンだけじゃない。“食×地域”で広がる多角的な挑戦
A.A.O passionの「ぶっ飛んだ企画」は、ラーメンにとどまりません。自社ビルを活用した民泊事業や時間貸しレンタルスペース、女子会向けの空間づくり、抹茶体験カフェ「MATCHA賛想庵」など、訪日客ニーズと地域資源を掛け合わせた事業が次々と生まれています。
どの企画も、軸にあるのは「食を通じて、人と地域と世界をつなぐ」という発想。水産・食品の輸出入アドバイザーとしての知見を、観光や体験コンテンツにまで広げている点が同社らしさです。
アイデアを仕事に変える、3つのコツ
A.A.O passionの事例から、アイデアを形にするコツを整理すると、次の3つに集約できます。
1. 「なぜ今それをやるのか」を一言で説明できるまで考える
2. 社会・業界・自分たちの強みの「三方良し」になる構図を描く
3.100点を目指すより、小さく試して改善する前提で動く
アイデア勝負に見える企画ほど、実は地道な検証と改善の積み重ね。感覚だけでなく、数字とストーリーの両方で説明できると、周囲も巻き込みやすくなります。
選考で「自分なりのチャレンジ経験」を語るときのポイント
チャレンジングなカルチャーの会社を志望する際、自分の挑戦経験を語るときは、次の観点を意識すると伝わりやすくなります。
・その挑戦で「何を変えたかったのか」(目的)
・どんな壁があり、どう乗り越えようとしたのか(プロセス)
・結果として、数字や周囲の反応はどう変わったのか(成果)
派手な成功談である必要はありません。「小さな違和感に気づき、自分なりに工夫して一歩踏み出した」ストーリーこそ、チャレンジする姿勢として評価されるのです。