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環境のこと

サステナブル水産・養殖ビジネス最前線:オニテナガエビから読み解く「伸びる市場」と求められる人材像

エビ養殖ビジネス , 地域循環型モデル , 持続可能な水産業 , 新興国マーケット , 未利用熱活用

2026.06.04

なぜ今、サステナブル水産が世界的に注目されるのか

世界人口の増加とタンパク質需要の拡大により、天然漁業だけでは需要を満たせない時代に入っています。一方で乱獲や海洋環境の悪化が進み、ESG投資やサステナブルフードへの視点から「環境負荷の小さい養殖」が急速に評価され始めました。完全養殖や飼料の高度化、トレーサビリティなどにより、「安心・安全・安定供給」を実現する水産ビジネスは、食品だけでなくエネルギー・観光・まちづくりとも連動する成長分野として注目を集めています。

オニテナガエビと未利用熱が拓く循環型モデル

淡水で養殖できるオニテナガエビは、内陸部でも生産可能な次世代食材として期待されています。株式会社A.A.O passionは、温泉の排熱や工場の未利用熱を活用し、閉鎖循環式の養殖システムを構想。水資源とエネルギーを効率的に回しながら、高付加価値のエビを生産するモデルは、環境負荷の低減だけでなく、地域の雇用創出やインフラ整備にもつながります。「外貨の獲得」と「タンパク質の確保」を同時に満たせる点が、海外からも注目される理由です。

どの国・地域でチャンスが広がっているのか

成長ポテンシャルが高いのは、東南アジアやアフリカなど人口増加と所得向上が進む地域です。A.A.O passionは、日本発の養殖技術や流通ノウハウを軸に、「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を伝える」モデルで、現地での養殖・流通体制づくりを志向しています。完全養殖や淡水養殖は、内陸国やインフラ未整備地域でも展開しやすく、将来的には温泉地、工場団地、観光地など、多様なロケーションと結びついた分散型の生産拠点が世界各地に生まれる可能性があります。

サステナブル水産で求められる4つのスキルセット

この分野で活躍するには、次の4つのスキルが重要です。

  • 語学力:英語+アジア圏言語で、生産者・バイヤー・行政との交渉を円滑に
  • データ分析力:水温、成長率、歩留まり、収益性などを数値で管理・改善
  • 現場力:養殖現場や飲食店に入り、泥臭くオペレーションを理解する姿勢
  • 企画力:水産×観光、水産×エネルギーなど、事業を組み立てる発想力

技術だけでなく、「意味を残す」ビジョンへの共感も大きな推進力になります。

学生・若手が今からできるアクションプラン

行動は小さくても、早く始めるほど選択肢は広がります。

  • インターン:水産商社、養殖ベンチャー、フードテック企業、A.A.O passionのような輸出・流通アドバイザーを幅広くチェック
  • 情報源:FAO・農水省のレポート、業界紙、水産・ESG関連のオンラインセミナー
  • 現場訪問:養殖場、魚市場、ラーメン店「RAMENえびの女神」などで顧客のリアルな声に触れる

「どんな社会課題を、どの地域で解きたいか」を軸に、経験を積み重ねていくことが重要です。

志望動機の組み立て方とキャリアの描き方

サステナブル水産分野の志望動機では、①社会課題への問題意識、②水産・食への具体的な興味、③自分のスキルとの接点、の3点を明確にすることが鍵です。例えば「発展途上国の栄養課題を、水産養殖の技術と流通で解決したい」「未利用熱を活用したオニテナガエビ養殖で、地方の新たな産業をつくりたい」といったストーリーは説得力があります。100年先を見据えたビジョンに、自分の10年後・20年後の姿をどう重ねるかまで描けると、キャリアの方向性がぶれにくくなります。