海と生き物に導かれた、林律子の原点
林律子の原点には、「海」と「ものづくり」がある。祖父は淡路島の船大工。幼い頃から港と船、魚に囲まれて育ち、自然と水産の世界に惹かれていった。大学・大学院では水産学、とくに養殖を専門に研究し、「どうすれば限りある海の資源を守りながら、人の食卓を支えられるか」という問いに向き合い続けた。卒業後は世界最大級の水産飼料メーカー、水産流通会社、そしてベンチャーで経験を重ね、現場から国際ビジネスまで一通りを体験。その中で、「技術」と「仕組み」を組み合わせれば、水産を起点に世界の課題解決に貢献できるという確信を深めていった。
「魚を与えるのではなく、釣り方を伝える」という決意
林が強く心を動かされたのは、アフリカでの子どもたちの労働問題だった。レアメタル採掘に従事し、命を落とす子どもがいる現実を知り、「一時的な支援では、構造は変わらない」と痛感する。そこで生まれたのが、「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を伝えたい」というビジョンだ。食料と仕事を同時に生み出せる養殖技術や、流通・輸出のノウハウを共有すれば、地域が自立していける。こうして、単なる水産事業ではなく、「技術とビジネスモデルをセットで届ける会社」を自ら立ち上げる道を選んだ。
ミッション「水産物を通じ世界と未来をつなぐ」の具体像
A.A.O passionのミッションは、「水産物を通じ世界と未来をつなぐ」。これはスローガンではなく、事業設計の前提条件だ。たとえば、
・完全養殖で安心安全な魚介類をつくる
・関西空港から、ノルウェーサーモンのように毎日世界へ届ける
・東南アジアなど海外で喜ばれる日本の食品を発掘・輸出する
と同時に、世界中から「日本人の食卓を豊かにする食材」を探し、輸入も手がける。さらに、飼料や種苗など“見えない部分”まで国産にこだわり、国内循環型の養殖モデル構築にも挑戦している。
輸出アドバイザーから伊勢海老ラーメン、民泊までがつながる理由
一見バラバラに見える事業も、軸は「水産×地域×世界」だ。
・食品(水産・輸出)流通アドバイザーとして、日本の生産者の「海外に届けたい」を支援
・養殖の“出口”として、折れた足やツノで廃棄される伊勢海老を活用したラーメン店「RAMENえびの女神」を運営
・自社ビルを使った民泊やレンタルスペース、抹茶体験カフェ「MATCHA賛想庵」で、食と観光ニーズを結びつける
これらはすべて、「価値ある資源を無駄にせず、地域にお金と人の流れを生み、世界の人に日本の食文化を伝える」という一本の線でつながっている。
オニテナガエビ養殖が描く、100年後の教科書
将来像を象徴するのが、淡水で養殖できるオニテナガエビへの挑戦だ。温泉の排熱や工場の未利用熱など、地域に眠るエネルギーを活用し、完全養殖と組み合わせることで、
・外貨の獲得(輸出)
・タンパク質の安定供給
・地域での雇用創出
・養殖を起点としたインフラ整備
という好循環をつくろうとしている。2023年には養殖事業に特化した「株式会社AB bank」も設立し、技術とファイナンスを組み合わせたスキームづくりを加速中だ。「誰かの命を支えた企業として、100年後の教科書に載る会社」を本気で目指している。
どんな価値観の人がA.A.O passionで輝けるか
A.A.O passionで活躍できるのは、スキルよりも「価値観」が合う人だ。たとえば、
・常識や相場に縛られず、5,500円の伊勢海老ラーメンのような“非常識な挑戦”を楽しめる
・「お金を残すより、意味を残したい」という考え方に共感できる
・食や水産を通じて、国内外の地域課題に向き合いたい
・見えない部分の品質(飼料・種苗・流通)にも責任を持てる
・人の夢や運命に寄り添いながら、長く関係性を育てたい
といった姿勢を持つ人だ。専門知識は入社後に学べるが、「世界と未来をつなぐ」というミッションを自分ごととして語れるかどうかが出発点になる。
面接前に考えておきたい質問例とセルフチェック
応募を検討する際は、自分の価値観と会社の方向性が重なるかを確かめておきたい。面接前に、次のような問いを自分に投げかけてみるとよい。
・10年後、「自分はどんな意味を社会に残したいか」
・お金より優先したいものは何か
・「食」「水産」「地域」「世界」のどこに一番ワクワクするか
そのうえで、面接では例えば、
・「御社の事業が100年後にどのような形で残っていてほしいですか?」
・「これから5年で、どの地域課題に最も力を入れたいですか?」
・「未経験でも、どのような学び方・関わり方ができますか?」
といった質問を用意しておくと、互いのイメージをすり合わせやすくなる。