――まず、林さんの「原点」を教えてください。
大阪・ミナミ生まれですが、祖父が淡路島の船大工で、休みのたびに海で遊んでいました。魚やカニを追いかけているうちに「一生、海と生きたい」と思うようになって、近畿大学農学部水産学科〜大学院で養殖を専攻しました。
――新卒ではどんな仕事を?
世界最大級の水産飼料メーカー・スクレッティングジャパンで8年間営業をしました。社長はオランダ人、上司はベルギー人。英語と数字とロジックで鍛えられたのは、大きな財産です。
――そこから起業の道に進んだきっかけは?
取引先と一緒に水産流通会社を立ち上げ、輸出も手がけて売上は41億円まで成長しました。でも、数字だけ追っていると「自分は何のために海と関わっているのか」が見えなくなる瞬間があって。食の循環や養殖の可能性を、もっと自分のスタイルで追求したくてA.A.O passionを創業しました。
――事業の軸「100年後の教科書に載る会社」とは?
本気で、100年後の発展途上国の教科書に「A.A.O passion」が載る未来をイメージしています。「誰かの命を支えた会社」として。目の前の水産ビジネスだけでなく、その先にいる人たちの暮らしや希望まで含めてデザインしたいんです。
――アフリカ支援まで見据えた養殖ビジネスについて教えてください。
きっかけは、レアメタルを素手で掘る子どもたちのニュースでした。命をすり減らして働いても、未来につながらない。そこで「魚をあげるのではなく、魚の釣り方=養殖技術を届けたい」と考えました。
養殖事業は、タンパク源の確保、雇用創出、外貨獲得、インフラ整備という4つの好循環を生むことができます。オニテナガエビのような淡水養殖モデルを、日本で磨き、最終的にはアフリカに持っていく構想です。
――実際の失敗談やターニングポイントは?
正直、失敗だらけです(笑)。例えば「RAMENえびの女神」のラーメンを5,500円で出すと決めたとき、周囲からはほぼ全員に止められました。でも「捨てられていた伊勢海老の足やツノに価値をつける」挑戦には、これくらいの覚悟が必要だと思って押し切りました。
結果的に、価格以上の体験を生み出せばお客さまはちゃんと応えてくれる、と学んだのが大きなターニングポイントですね。
――A.A.O passionで働くって、どんな感覚に近いですか?
きっちり整備された高速道路というより、地図を持って仲間と一緒にルートを決めていく山登りに近いです。養殖、輸出、水産コンサル、民泊、抹茶カフェまで、一見バラバラですが、全部「食と地域と世界をつなぐ」という一本の線でつながっています。
――どんな人と一緒に働きたいですか?
- 正解がない中でも、自分で考えて動くのが好きな人
- 肩書きより「現場」にワクワクできる人
- 魚や海、食、人が好きな人
- 世界や社会課題に対して、自分なりのモヤモヤを持っている人
スキルより「どんな未来を一緒に見たいか」を大事にしています。
――面接で、ぜひ聞いてほしい質問3つ
- 「今、A.A.O passionが一番チャレンジすべきだと思うことは何だと思いますか?」
- 「私(林)がやっていることで、正直よく分からない・共感できないことはどこですか?」
- 「あなたの人生で、一番『無駄じゃなかったな』と思える失敗は何ですか?」
面接は「選考」ではなく「一緒に未来を組み立てる打ち合わせ」くらいのテンションで来てもらえたらうれしいです。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
お金を残すより、意味を残したい。そんな少し欲張りな会社です。完璧なキャリアじゃなくて大丈夫です。「海や食を通じて、世界と未来につながる仕事をしたい」とどこかで感じたことがあるなら、その感覚を大事にしてみてください。
100年後の教科書に載るかどうかは、きっとこれからの選択の積み重ね次第。一緒にその1ページ目をつくっていける仲間と出会えたらうれしいですね。